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「訳あり物件」を売却する方法4選

不動産売却
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親が亡くなり実家を相続したけど、住まないので売却したい。そう思いたって不動産屋さんに家の売却を依頼したけど、なかなか売れない!

そんなお悩みを持つ方へ・・・その家に何か告知しなければならない問題はありませんか?

告知事項がある「訳あり物件」を売却することは条件によって難しい可能性もありますので、「不動産買取再販専門会社」で働いていた「不動産の買取と販売」のプロである僕が600件以上の売買経験をもとに、

  • 訳あり物件と告知事項とは何か
  • 瑕疵の種類と売却のデメリット
  • 契約不適合責任のリスク
  • 告知事項がある物件を売却する方法4選

を、不動産買取専門業者目線で解説します!

この記事を読めば、なかなか売れない訳あり物件でも、売却する方法が見つかります。

訳あり物件と告知事項とは何か

売買対象の物件について、買主の購入意思決定を左右するような瑕疵(かし=傷、欠点、不具合など)がある場合、売主から買主へ伝えなければならない、その瑕疵の情報のことを「告知事項」といいます。

告知事項がある物件はいわゆる「訳あり物件」となります。

瑕疵の種類

告知事項はその内容によって、「物理的瑕疵」「法的瑕疵」「環境的瑕疵」「心理的瑕疵」の4種類に分かれます。

物理的瑕疵がある物件

「物理的瑕疵」とは、その名の通り建物や土地の物理的な傷や損傷のことです。

シロアリや雨漏りの被害、漏水などの建物の不具合、土壌汚染や地中埋設物などの土地の不具合など、隠れて見えない部分の瑕疵となります。

また、耐震性能の不足も物理的瑕疵と判断される場合があります。

シロアリ被害がある物件売却のデメリット

家の構造上主要な部分(土台や柱、梁など)がシロアリの被害を受けてしまうと、建物の強度が著しく低下し、被害個所の補修や家屋の解体が必要になる可能性があります。

そのため一般のお客様に売却しようとしても、売却をする際に価格が安くなることが多く、場合によってはシロアリ被害があることにより購入自体を断られてしまうケースも考えられます。

そのため、シロアリ被害がある物件を売却するためには、専門業者へ依頼しシロアリ被害の程度を調査したうえで、あらかじめ被害個所の補修をしたり、建物を解体して更地にしないと売却できない可能性があり、それらを行うには少なくない費用が発生します。

シロアリ被害がある物件の売却については、別記事にて詳しく説明しています。

→「シロアリ被害がある家」を売却する方法4選

雨漏り被害がある物件売却のデメリット

雨漏りは築年数に関係なく、どの家にも起こり得ます。その雨漏りを放置してしまうと、カビやシロアリの繁殖原因となります。

また、家の構造上主要な部分(土台や柱、屋根など)が雨漏りの被害を受け腐食してしまうと、建物の強度が著しく低下し、被害個所の補修や家屋の解体が必要になる可能性があります。

また、雨漏りは雨水の浸入個所を特定することが難しいことも多く、補修に時間と費用を要する可能性も考えられます。

そのため一般のお客様に売却しようとしても、売却をする際に価格が安くなることが多く、場合によっては雨漏り被害があることにより購入自体を断られてしまうケースも考えられます。

そのため、雨漏り被害がある物件を売却するためには、専門業者へ依頼し今後の雨漏り被害の拡大を防止したうえで、被害個所の補修、または建物を解体し更地にしないと売却できない可能性があり、それらを行うには少なくない費用が発生します。

雨漏り被害がある物件の売却については、別記事にて詳しく説明しています。

→「雨漏り被害がある家」を売却する方法4選

耐震性能の不足がある物件売却のデメリット

建築確認を取得したのが1981年5月31日以前である建物は、旧耐震基準で設計・建築されている「旧耐震基準物件」となります。

また、木造住宅に限りますが、1981年6月1から2000年5月31日までに建築確認を取得した建物は、新耐震基準で建築されていますが現行の耐震基準を満たしていない場合が多く、その場合「既存不適格物件」となります。

旧耐震基準物件既存不適格物件の一番のデメリットは、なんといっても耐震性に不安があることです。

1995年1月に発生した阪神・淡路大震災において、亡くなった6,434人の死因の9割が住宅などの倒壊による圧死であり、さらに、被災した木造住宅の98%は旧耐震基準物件だったそうです。

この数字だけでも、特に旧耐震基準物件は耐震性不足によるリスクが高いことが分かります。

そのため一般のお客様に売却しようとしても、耐震性に不安を感じ、購入自体を断られてしまうケースも考えられます。

旧耐震基準物件を売却するためには、専門業者へ依頼し耐震診断を行い、その診断結果に基づきあらかじめ耐震補強工事を実施するか、または建物を解体し更地にしないと売却できない可能性があり、それらを行うには少なくない費用が発生します。

旧耐震基準物件の売却については、別記事にて詳しく説明しています。

→「旧耐震基準物件」を売却する方法5選

法的瑕疵がある物件

建物を建てる際は「建築基準法」や「都市計画法」という法律や、各自治体の「条例」に従って建築しなければなりませんが、「法的瑕疵」とは、それらの法律や条例に違反している、または制限がかかっている状態をいいます。

例えば接道義務を満たさない再建築不可物件や、違反建築物件、市街化調整区域内の再建築不可物件などが該当します。

再建築不可物件売却のデメリット

「再建築不可物件」とは、「建築基準法」という法律に定める、

建築物の敷地は(幅員4m以上の)道路に2m以上接しなければならない。

建築基準法第43条

という接道条件を満たしていないため、再建築(=建て替え)ができない物件のことです。

現在建っている家を取り壊してしまうと、今後は建て替えができないため、既存の家をリフォームをしながら維持していく必要があります。

そのうえ、地震や火災などの災害で家が消失してしまった場合でも再建築はできないため、通常の物件よりも災害リスクが高くなります。

さらに住宅ローンを利用できない可能性も高いため、一般のお客様に売却しようとしても、購入自体を断られてしまうケースが考えられます。

そのため、再建築不可物件を売却するためには、住宅ローンを利用しない現金客や不動産投資家の購入客が現れるまで待つか、再建築が可能となる条件を満たす必要があり、それらは現実的には難しい方法である可能性が高いです。

再建築不可物件の売却については、別記事にて詳しく説明しています。

→「再建築不可物件」を売却する方法4選

違反建築物件売却のデメリット

日本の住宅は「建築基準法」「都市計画法」という法律や、各自治体の「条例」に従って建てられています。

現在施行されているそれらの法律・条例の定めに違反している物件は、「違反建築物件」となります。

増築時に建築確認申請を怠ってしまい、その結果建ぺい率や容積率の違反、外壁後退制限の違反、高さ制限の違反などをしてしまっている建物は、割とよく見受けられます。

また、建築基準法による接道義務を満たしていない建物や、農地法による農地転用許可申請を怠り、農地上に建てられている建物なども違反建築物件です。

これらの違反建築物件に対して、特定行政庁は除去や移転、改築、修繕、使用禁止などの措置を命じることができるため、違反建築物件の所有者は直ちに建物を現行の法令や条例に適合させる必要があります。

また、住宅ローンを利用できない可能性も高いため、一般のお客様に売却しようとしても、購入自体を断られてしまうケースが考えられます。

そのため、違反建築物件を売却するためには、違反部分の是正をするために建築物の修繕や一部解体などをするか、または違反建物を解体し更地にしないと売却できない可能性があり、それらを行うには少なくない費用が発生します。

違反建築物件の売却については、別記事にて詳しく説明しています。

→「違反建築物件」を売却する方法4選

市街化調整区域内の物件売却のデメリット

「市街化調整区域」とは都市計画法に定められた、街づくりを抑え市街化を抑制していく地域のことです。

つまり市街化調整区域では、原則として新たに建物を建てることができません。

市街化調整区域は主に農村地帯であることが多く、上下水道などのインフラ環境が整っておらず日常生活に必要なスーパーなどの商業施設も近くにないという場合があり、どうしても売却をする際に価格が安くなることが多くなります。

さらに、地目が「宅地」ではなく「畑」などの農地のまま家が建っている場合、土地家屋調査士へ「地目変更登記」申請の依頼をする必要があり、手間と費用がかかります。

また、市街化調整区域内で再建築ができない物件は住宅ローンを利用できない可能性が高いため、一般のお客様に売却しようとしても、購入自体を断られてしまうケースが考えられます。

そのため、市街化調整区域内で再建築ができない物件を売却するためには、住宅ローンを利用しない現金客が現れるまで待つ必要があります。

市街化調整区域内の物件の売却については、別記事にて詳しく説明しています。

→「市街化調整区域内の物件」を売却する方法3選

分家住宅売却のデメリット

市街化調整区域において、農業や漁業、林業を営んでいる本家のことを、都市計画法第29条第1項第2号に定める「農家住宅」といい、「分家住宅」とはその農家住宅である本家からから世帯が分かれて、分家としての世帯が新たに建てた住宅のことです。

分家住宅は非常に「属人性」が強く、分家住宅を使用できる人は分家住宅建築の許可を受けた本人と、その配偶者及び直系卑属(子や孫)に限定されます。

分家住宅市街化調整区域にあるため、主に農村地帯であることが多く、上下水道などのインフラ環境が整っておらず日常生活に必要なスーパーなどの商業施設も近くにないという場合があり、新たに建物を建てること(再建築)ができません。

再建築ができない物件は住宅ローンを利用できない可能性が高いため、一般のお客様に売却しようとしても、購入自体を断られてしまうケースが考えられます。

そのため、分家住宅を売却するためには、住宅ローンを利用しない現金客が現れるまで待つ必要があります。

分家住宅の売却については、別記事にて詳しく説明しています。

→「分家住宅」を売却する方法2選

連棟式建物売却のデメリット

「連棟式建物」とは、「隣の家と壁がつながっている建物」のことです。

建築基準法上では「長屋」といわれますが、「長屋」とは2つ以上の住戸が連なった建築物であり、住戸の間は共有の壁で仕切られて行き来ができず、それぞれの住戸に外部出入口があります。

建物はつながっていますが、土地や建物の所有権は住戸ごとに分かれている「テラスハウス」と、所有権ではなくマンションのように「区分所有権」を持つ「タウンハウス」があります。

連棟式建物は隣の住戸と壁を共有した構造のため、テラスハウスでは隣接住戸所有者の合意が、タウンハウスでは所有者の4/5以上の賛成が必要となる可能性があることや、すべての住戸が接道義務を満たす必要があるなど、単独で再建築をすることはとても難しいことが多いです。

また、連棟式建物は昭和の時代によく建てられたため、築年数が古く耐震性不足によるリスクが高い件が多いことや、購入時に住宅ローンを利用できない可能性が高いことなどから、一般のお客様に売却しようとしても購入自体を断られてしまうケースが考えられます。

そのため、連棟式建物を売却するためには、住宅ローンを利用しない現金客や不動産投資家の購入客が現れるまで待つ必要があります。

連棟式建物の売却については、別記事にて詳しく説明しています。

→「長屋(連棟式建物)」を売却する方法4選

環境的瑕疵・心理的瑕疵がある物件

環境的瑕疵がある物件売却のデメリット

「環境的瑕疵」とは、土地や建物など物件そのものには問題がないものの、物件周辺の環境が嫌悪感を感じる要因となり、生活に支障をきたすような場合をいいます。

例えば暴力団事務所や風俗店など治安に影響がある施設、線路や高速道路など騒音を発する施設、工場やごみ焼却場など異臭を発する施設、墓地や火葬場など人によって嫌悪感を感じる施設などがあります。

ただし、嫌悪感を感じ生活に支障をきたす程度は人によって許容範囲が異なるため、どこまでが環境的瑕疵になるかを明確に判断することは難しいです。

環境的瑕疵がある物件は、土地や建物など物件そのものには問題がないにもかかわらず、物件の売却価格が安くなってしまう可能性があります。

また、環境的瑕疵は工事や清掃で改善できるものではなく、売主本人では根本的に解決できません。

そのため、環境的瑕疵がある物件を売却するためには、環境的瑕疵を気にしない買い手が見つかるまで待つ必要があります。

環境的瑕疵がある物件の売却については、別記事にて詳しく説明しています。

→「環境的瑕疵がある家」を売却する方法2選

心理的瑕疵がある物件売却のデメリット

「心理的瑕疵」とは、物件内で例えば人が亡くなるような事件や事故があり、買主が購入の意思決定をするうえで、心理的な障害となるような問題のことです。

殺人事件や自殺はもちろんのこと、火災や孤独死なども心理的瑕疵に該当します。いわゆる「事故物件」というものです。

事故物件は、土地や建物など物件そのものには問題がないにもかかわらず、物件の売却価格が安くなってしまう可能性があります。

しかも人の死に対する感じ方には個人差があるため、同じ瑕疵の状況や内容でも、買主によって心理的な影響は異なりますので、売却価格への影響も個人差が生じます。

また、心理的瑕疵は、たとえ特殊清掃やリフォーム工事を施したとしても、事故の事実までは消すことはできません。

そのため、事故物件を売却するためには、心理的瑕疵を気にしない買い手が見つかるまで待つか、事故物件となってしまった原因の個所のお祓いやリフォームをする、または事故物件を解体し更地にしないと売却できない可能性があり、それらを行うには少なくない費用が発生します。

心理的瑕疵がある物件の売却については、別記事にて詳しく説明しています。

→「事故物件」を売却する方法5選

契約不適合責任のリスク

一般の方が買い手の場合、特約がない限り売主は「契約不適合責任」を負うというリスクもあります。

契約不適合責任とは、売買の目的物に「契約内容に適合していない部分」がある場合に、売主に課される法的責任のことです。

告知事項がある物件は、もともとそこに住んでいた人しか知り得ない瑕疵や、プロがしっかり調査・説明しないと買主では発見できない瑕疵である可能性があり、買主がまったく保護されないようではリスクが高く、安心して売買ができません。

そこで買主を保護するために、契約不適合責任が民法に定められており、売主から買主に対して「告知義務」があります。

告知事項を売主が買主に説明せず売却した場合は、契約不適合責任を問われ、契約の解除や追完請求、代金減額請求、損害賠償請求などを受けることになります。

告知事項がある物件を売却する方法4選

瑕疵を補修して売却する

物理的瑕疵がある物件の場合は、その瑕疵部分を補修して、法的瑕疵がある物件については、その瑕疵部分を法令や条例に適合する状態にして、瑕疵を取り除いて売却する方法があります。

例えばシロアリ被害や雨漏り被害を修理する、耐震補強をする、建物を一部解体し建ぺい率オーバーを解消する、などが考えられます。

ただし、当然それらの工事には費用がかかりますし、物理的瑕疵心理的瑕疵の場合は、過去に告知事項があったことを買主に説明する必要があります。

告知事項を気にしない買主に売却する

時間はかかる可能性がありますが、告知事項があっても気にしない買主を見つけることができれば、告知事項がある物件でも売却は可能です。

ただし法的瑕疵がある物件については、住宅ローンを利用せず、現金で購入する買主という条件も必要になる可能性があります。

建物を解体して売却する

建物を解体して瑕疵を取り除き売却するという方法もあります。

建物についての物理的瑕疵はこの方法で解消され、心理的瑕疵の印象も軽減される可能性はありますが、4つの注意点があります。

  • 更地にしてしまうと固定資産税・都市計画税の税額が高くなる
  • 法的瑕疵がある場合は、解体してしまうと再建築ができなくなる場合がある
  • 土地についての契約不適合責任はなくならない
  • 心理的瑕疵がある場合の告知義務はなくならない

解体工事業者に相談する際は、1社だけでなく数社に見積もりを取ることをオススメします。

不動産買取専門業者に売却する

「訳あり物件」は住宅ローンを利用できない場合や、購入を断られる場合などがあり、一般のお客様の中から買い手を探すとなると長期間に渡り買い手が見つからないことも珍しくありません。

運よく告知事項を気にしない購入客に売却できた場合でも、不動産仲介業者へ売却を依頼した場合には、成約時に仲介手数料が発生します。

仲介手数料は法律により計算式が決まっており、物件の売買価格によって変動しますが、数十万円~数百万円と高額になります。

また、売主にとって「売却に時間がかかり、または告知事項を解消するための手間と費用と時間がかかり、成約時に仲介手数料がかかり、売却後も契約不適合責任を負う」というリスクも、不動産買取専門業者に家を直接買い取ってもらえば排除できます。

しかも短期間で売却できるうえに仲介手数料もかからず、不動産のプロが直接買取をするため、売買契約に前述した売主の契約不適合責任が免責となる特約が入る場合もあり、売主にとって安心です。

不動産の売却で「買取」を選択するべきケースついては、別記事にて詳しく説明しています。

→不動産の売却で「買取」をオススメするケース4選

まとめ

「告知事項」がある物件とは、売買対象の物件について、買主の購入意思決定を左右するような瑕疵がある、いわゆる「訳あり物件」です。

告知事項は4種類あります。

「物理的瑕疵」とは、雨漏りやシロアリの被害、漏水などの建物の不具合、土壌汚染や地中埋設物などの土地の不具合などの物理的な瑕疵です。

「法的瑕疵」とは、接道義務を満たさない再建築不可物件や違反建築物件など、法律や条例に違反している、または制限がかかっている状態をいいます。

「環境的瑕疵」とは、物件周辺の環境が嫌悪感を感じる要因となり、生活に支障をきたすような場合をいいます。

「心理的瑕疵」とは、物件内で例えば人が亡くなるような事件や事故があり、買主が購入の意思決定をするうえで、心理的な障害となるような問題のことです。

そして、告知事項がある物件には、売却にあたり5つのリスクが考えられます。

  • 売買代金が安くなる
  • 購入を断られる
  • 住宅ローンを利用できない場合がある
  • 成約までに数ヶ月以上の時間がかかる
  • 売却後も契約不適合責任を負う

そして、告知事項がある物件を売却する方法は4つ考えられます。

  • 瑕疵を補修して売却する
  • 告知事項を気にしない買主に売却する
  • 建物を解体して売却する
  • 不動産買取専門業者に売却する

最後に、不動産買取専門業者に直接売却する場合のメリットは4つあります。

  • 告知事項があっても高額買取可能
  • 仲介手数料が不要
  • 売却までの期間が短い
  • 契約不適合責任が免責となる場合がある

告知事項がある訳あり物件は、仮に売却することができたとしても、相場より安い価格でしか売却できない可能性がありますが、売却する際の様々な手間や負担、リスクを考えたときに、不動産買取専門業者に売却をすることが最も良い結果につながる可能性があります。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。

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