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「再建築不可物件」を売却する方法4選

不動産売却
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親が亡くなり実家を相続したけど、住まないので売却したい。そう思いたって不動産屋さんに家の売却を依頼したけど、なかなか売れない!

そんなお悩みを持つ方へ・・・その家は建替えができる物件ですか?

一般的に、「再建築不可物件」を売却することは難しい場合が多いので、「不動産買取再販専門会社」で働いていた「不動産の買取と販売」のプロである僕が、

  • 再建築不可物件とは何か
  • 再建築不可となる4つの条件
  • 再建築不可物件の2つのデメリット
  • 契約不適合責任のリスク
  • 再建築不可物件を売却する方法4選

を、不動産買取専門業者目線で解説します!

これを読めば、なかなか売れない再建築不可物件でも、売却する出口が見つかります。

再建築不可物件とは何か

日本の住宅は「建築基準法」「都市計画法」という法律に従って建てられています。

その「建築基準法」は昭和25年に、「都市計画法」は昭和43年に施行されており、それらの法律が施行される前に建てられた家などは、「再建築不可」物件の可能性があります。

再建築不可物件とは読んで字のごとく、再建築(=建て替え)ができない物件のことです。

なぜ再建築ができないかというと、「建築基準法」という法律に定める接道条件を満たしていないことが原因です。

「建築基準法」では、「建築物の敷地は(幅員4m以上の)道路に2m以上接しなければならない。」と定められています。

この接道条件を満たさない土地は、災害時などに消防車や救急車などの緊急車両が通行できず、特に火災時などは鎮火が遅れ周辺住居に燃え広がるおそれがあるなど、被害拡大につながる危険性があります。

そういう危険な建物を減らすために、法律で接道条件を満たさない土地への建築を認めないようにしているのです。

再建築不可となる4つの条件

再建築不可(=接道条件を満たさない)物件と扱われてしまう主な条件は、以下のとおりです。

  • 土地が道路に面していない
  • 道路に接する土地の間口が2m未満
  • 接する道路が建築基準法上の道路ではない
  • 物件が市街化調整区域内にある

土地が道路に面していない

建築物の敷地は、道路に二メートル以上接しなければならない。

建築基準法第43条

自身の土地と道路との間に他人の土地が存在するなど、自身の土地が道路に面していない場合は、接道条件を満たすことができず、再建築不可物件と扱われます。

自身の土地が他人の所有地に囲まれている、いわゆる「袋地」である場合が該当します。

「袋地」の物件については、別記事でにて詳しく説明しています。

→「私道」に接する物件を売却する方法4選

また、道路との間にある他人の土地が、現地の状況では道路の一部、または自身の土地の一部になっているように見える場合もあります。

そういった場合でも接道条件を満たしているとはみなされないため、現地の状況だけでなく、公図や土地の登記情報なども確認することが重要です。

赤い斜線部分が現況では道路の一部に見えても、実は他人の土地であり、接道していないとみなされる場合があります。

道路に接する土地の間口が2m未満

建築物の敷地は、道路に二メートル以上接しなければならない。

建築基準法第43条

旗竿のような形状の土地の場合など、道路に接する土地の間口が2mに満たない場合は、接道条件を満たすことができず、再建築不可物件と扱われます。

上記図の土地①の場合、道路と直接接する部分だけではなく、旗竿部分すべてが2m以上の幅があることが必要です。

また、上記図の土地②、③のような場合、道路との間にある旗竿部分が、建築基準法上の道路ではないにもかかわらず、現地では舗装されており道路に見えることがあります。

この場合、建築基準法上は旗竿部分を土地➁と③の「宅地の一部(=旗竿地)」として、接道条件を満たす必要があります。

この場合、旗竿部分の間口が2m×2m=4m必要となり、また、旗竿部分に土地➁と③がそれぞれ2分の1ずつ持分を持っていることが必要とされることがあります。

現地の状況だけでなく、公図や土地の登記情報、測量図なども確認することが重要です。

接する道路が建築基準法上の道路ではない

土地と道路は問題なく接しているが、その接する道路が「建築基準法上の道路」ではない場合も、接道条件を満たすことができず、再建築不可物件と扱われます。

建築基準法上の道路とは、建築基準法第2条1項に定められている5種類の道路です。

接する道路が建築基準法上の道路かどうかは、現況の幅員が4mあるかを確認したうえで、役所で確認が必要となります。

物件が市街化調整区域内にある

「市街化調整区域」とは都市計画法に定められた、街づくりを抑え市街化を抑制していく地域のことです。

つまり市街化調整区域では、原則として新たに建物を建てることができません。

市街化調整区域内の物件については、別記事にて詳しく説明しています。

→「市街化調整区域内の物件」を売却する方法3選

再建築不可物件の2つのデメリット

建て直しができず、災害リスクが高い

再建築不可物件のデメリットは、当然ながら再建築(建て直し)ができないことです。

現在家が建っている場合は、取り壊してしまうと、今後は建て替えができないため、リフォームをしながら維持していく必要があります。

そのうえ、地震や火災などの災害で家が消失してしまった場合でも再建築はできないため、通常の物件よりも災害リスクが高くなります。

住宅ローンが利用できない

再建築不可物件については、不動産の担保評価が低くなるため、購入時に住宅ローンを利用できない可能性が高くなります。

そのため、一般の買い手はおそらく購入の検討は難しいでしょうし、僕のような不動産買取業者も「再建築不可の物件でも買取してもらえるか?」との問い合わせをよく頂きますが、住宅ローンが利用できないことが主な理由で、「原則として再建築不可の物件は買取できません。」とお答えしていています。

契約不適合責任のリスク

一般の方が買い手の場合、特約がない限り売主は「契約不適合責任」を負うというリスクもあります。

「契約不適合責任」とは、売買の目的物に「契約内容に適合していない部分」がある場合に、売主に課される法的責任のことです。

また、再建築不可物件は「法的瑕疵」に該当し、プロがしっかり調査・説明しないと買主には分からない可能性があるため、買主がまったく保護されないようではリスクが高く、安心して売買ができません。

そこで買主を保護するために、「契約不適合責任」が民法に定められており、法的瑕疵がある物件であることを買主へ告知せず売却した場合は、「契約不適合責任」を問われ、契約の解除や追完請求、代金減額請求などを受けることになります。

さらに再建築不可物件は建築基準法や都市計画法の施行以前に建てられ、築年数が古い物件が多く、雨漏りやシロアリの被害にあっている可能性が高くなるため、売主にとってもリスクが高いといえます。

シロアリ被害、雨漏り被害のリスクについては、別記事にて詳しく説明しています。

→「シロアリ被害がある家」を売却する方法4選

→「雨漏り被害がある家」を売却する方法4選

再建築不可物件を売却する方法4選

現金購入の方に売却する

現金で購入される方であれば、再建築不可物件のデメリットのひとつである、「住宅ローンが利用できない」という部分が関係ありません。

しかし、三井住友信託銀行による「住まいと資産形成に関する意識と実態調査」(2022年)によると、住宅取得者の約8割が住宅ローンを利用しているそうです。

約2割の現金購入客が現れるまで待つことができれば、売却できるかもしれません。

不動産投資家に売却する

不動産投資家は節税のため法人化している方が多く、法人が不動産を購入する際、住宅ローンではなく事業ローンを利用します。

事業ローンは対象となる不動産の内容ではなく、融資を受ける法人の業績をもとに融資の可否を判断します。つまり、物件が再建築不可であるかどうかは関係ありません。

不動産投資家が納得できる利回りが確保できれば、売却できるかもしれません。

再建築が可能となる条件を満たす

もちろん物件によって内容は異なりますが、再建築が可能となる条件を満たすことができれば、通常の不動産と同じように売却することが可能となります。

例えば、接道間口が2mに満たない場合に、隣接土地の一部を購入し、合計で2mの間口を確保する、などのケースが考えられますが、この場合、よほどお隣と信頼関係ができているか、お隣がお金に困っている場合など、上手く隣接地の一部を購入することができれば、売却できるかもしれません。

不動産買取専門業者に売却する

一般のお客様の中から買い手を探すとなると、前述したように災害リスクが高く住宅ローンも利用できないため、長期間に渡り買い手が見つからないことも珍しくありません。

運よく現金購入客または不動産投資家に売却できた場合や、運よく再建築できる条件を満たすことができ売却できた場合でも、不動産仲介業者へ売却を依頼した場合には、成約時に仲介手数料が発生します。

仲介手数料は法律により計算式が決まっており、物件の売買価格によって変動しますが、数十万円~数百万円と高額になります。また、売主にとって「売却に時間がかかり、または再建築の条件を満たすために手間と費用と時間がかかり、成約時に仲介手数料がかかり、売却後も契約不適合責任を負う」ことはかなりの負担です。

不動産買取専門業者に家を直接買い取ってもらえば、これらの負担を排除できます。

しかも短期間で売却できるうえに仲介手数料もかからず、不動産のプロが直接買取をするため、売買契約に前述した売主の「契約不適合責任」が免責となる特約が入る場合もあり、売主にとって安心です。

不動産の売却で「買取」を選択するべきケースついては、別記事にて詳しく説明しています。

→不動産の売却で「買取」をオススメするケース4選

まとめ

不動産の売却を考える際に、再建築が可能か否かを調べることはとても重要です。

再建築不可物件とは、建築基準法上の接道条件を満たしていないため、建て直しができない物件です。再建築不可物件となる要因は、主に3つ考えられます。

  • 道路に接していない物件
  • 土地の間口が2m未満の物件
  • 建築基準法上の道路に接していない物件

さらに、再建築不可物件のデメリットは下記の2つが考えられます。

  • 地震や火事などの災害リスクがある
  • 住宅ローンが利用できない

そして、再建築不可物件を売却する方法は4つ考えられます。

  • 現金購入の方に売却する
  • 不動産投資家に売却する
  • 再建築が可能となる条件を満たす
  • 不動産買取専門業者に売却する

最後に、不動産買取専門業者に直接売却する場合のメリットは3つあります。

  • 短期間で売却できる
  • 仲介手数料が不要
  • 契約不適合責任が免責となる場合がある

再建築不可物件は仮に売却することができたとしても、相場より安い価格でしか売却できない可能性がありますが、売却する際の様々な手間や負担、リスクを考えたときに、不動産買取専門業者に売却をすることが最も良い結果につながる可能性があります。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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