親が亡くなり実家を相続したけど、住まないので売却したい。そう思いたって不動産屋さんに家の売却を依頼したけど、なかなか売れない!
そんなお悩みを持つ方へ・・・その家は雨漏りしていませんか?
「雨漏り被害」のある物件を売却することは条件によって難しい可能性もありますので、「不動産買取再販専門会社」で約19年働いた「不動産の買取と販売」のプロである僕が、
- 雨漏りがもたらす2つの被害
- 雨漏り被害がある場合のデメリット
- 契約不適合責任のリスク
- 雨漏り被害がある家を売却する方法4選
を、不動産買取専門業者目線で解説します!
これを読めば、なかなか売れない雨漏り被害物件でも、売却する出口が見つかります。
雨漏りがもたらす2つの被害
カビが発生する
雨漏りがあると、当然、雨水が住宅内に浸入します。その浸入した雨水によって、天井や壁にシミができ、そこで初めて雨漏りに気付く方が多いようです。
継続して雨水が住宅内に浸入していれば、そのシミの付近にはカビが発生します。
カビは、木材、接着剤、塗料など建築に使われるものや、空気中の汚れをエサにして増えていき、例えば喘息、アトピー、アレルギー性鼻炎などのアレルギー反応や、カビの臭いなどを原因とするストレスなど、健康に被害を及ぼす可能性が考えられます。
もし家の壁や、特に天井にシミができている場合は、雨漏りの可能性を疑い、早めの対策をとりましょう。
構造体の腐食やシロアリ被害が発生する
継続して雨水が住宅内に浸入し、家の構造体が長く雨水にさらされると、木造であれば木材が、鉄骨造であれば鉄骨が、コンクリート造であれば鉄筋が腐食していきます。
そして家の構造上主要な部分(土台や柱、屋根など)に腐食が進行すると、建物の強度が著しく低下し、被害個所の補修や家屋の解体が必要になる可能性があります。
さらに、雨漏り被害による湿気がシロアリ被害につながることも多く、早急な対策が必要です。
シロアリ被害のリスクについては、別記事にて詳しく説明しています。
雨漏り被害がある場合のデメリット
雨漏りは築年数に関係なく、どの家にも起こり得ます。その雨漏りを放置してしまうと、前述したようにカビやシロアリの繁殖原因となります。
また、家の構造上主要な部分(土台や柱、屋根など)が雨漏りの被害を受け腐食してしまうと、建物の強度が著しく低下し、被害個所の補修や家屋の解体が必要になる可能性がありますので、どうしても売却をする際に価格が安くなることが多くなります。
また、雨漏りは雨水の浸入個所を特定することが難しいことも多く、特に鉄骨造や鉄筋コンクリート造の場合、被害個所が特定できず木造住宅よりも補修に過大な費用がかかる可能性があるため、一般のお客様に売却しようとしても、雨漏り被害があることを嫌って、購入自体を断られてしまうケースも考えられます。
契約不適合責任のリスク
「契約不適合責任」とは、売買の目的物に「契約内容に適合していない部分」がある場合に、売主に課される法的責任のことです。
雨漏り被害は「物理的瑕疵」に該当し、売主から買主に対して「告知義務」があります。
当然ながら、売買契約前に買主が雨漏り被害を自力で発見することは難しいため、買主が保護されないようではリスクが高く、安心して売買ができません。
そこで買主を保護するために、「契約不適合責任」が民法に定められているわけです。
雨漏り被害があることを売主が買主に告知せず売却した場合、「契約不適合責任」を問われ、契約の解除や追完請求、代金減額請求などを受けることになります。
なお、すでに雨漏り被害を補修済みで、現在は雨漏りはしていない場合でも、過去に雨漏り被害があったことを告知しなければなりません。
雨漏り被害がある家を売却する方法4選
今後の雨漏り被害を防止した後に売却する
まだ雨漏りの被害が軽微であれば、被害が拡大する前に建物の点検を実施し、必要に応じ補修や塗装工事を行い、今後の雨漏り被害を防止したうえで売却をすることは、雨漏り被害を理由とした値下げを回避できる可能性があるひとつの方法です。
ただし、工事にはそれなりの費用がかかると思われますので、雨漏り防止の外装工事を相談する際は、1社だけでなく数社に見積もりを取ることをオススメします。
なお、施工前と施工後の写真を撮っておき、被害個所の状況と補修方法を買主にもしっかり説明すれば、より一層買主の安心感も増し、スムーズな売却につながる可能性も高いと思います。
構造上主要な部分を補修して売却する
雨漏りにより家の構造上主要な部分に腐食があるものの、まだ補修が可能な場合に、自分で被害部分の補修をし、建物のダメージを回復して売却することも、ひとつの方法です。
工事に費用はかかりますが、雨漏り被害を理由に購入を断られるケースを回避できる可能性があります。その際は、被害個所の状況と補修方法を買主にもしっかり説明しておくことをオススメします。
施工前と施工後の写真を撮っておけば、より一層買主の安心感も増し、スムーズな売却につながる可能性も高いと思います。
建物を解体して更地で売却する
空き家の場合などで雨漏り被害が相当進行しており、被害が甚大で補修するにも過分の費用が発生するような場合は、建物を解体してしまい、更地にして販売するということも、ひとつの方法です。
もちろん解体工事には相当の費用がかかりますが、被害状況によっては、「補修するよりも、解体した方が費用が抑えられる」という可能性があります。
解体工事業者に相談する際は、1社だけでなく数社に見積もりを取ることをオススメします。
建物を解体してしまえば、契約不適合責任の対象となる建物が存在しないため、売主にとっても安心です。ただし注意点として、土地についての契約不適合責任まで無くなるわけではありません。
また、再建築不可物件の場合、既存の建物を解体してしまうと建て直しができなくなります。建物を解体する場合は、よく検討してから依頼することをオススメします。
再建築不可物件については、別記事にて詳しく説明しています。
不動産買取専門業者に売却する
一般のお客様の中から買い手を探すとなると、前述したように雨漏り被害の補修に費用がかかる可能性があり、また、売却まで数ヶ月以上の時間を要することも珍しくありません。
そのうえ、不動産仲介業者へ売却を依頼した場合には、成約時に仲介手数料が発生します。
仲介手数料は法律により計算式が決まっており、物件の売買価格によって変動しますが、数十万円~数百万円と高額になります。
売主にとって「補修に費用がかかり、売却に時間がかかり、成約時に仲介手数料がかかり、売却後も契約不適合責任を負う」というリスクも、不動産買取専門業者に家を直接買い取ってもらえば排除できます。
しかも短期間で売却できるうえに仲介手数料もかからず、また、不動産のプロが直接買取をするため、売買契約に前述した売主の「契約不適合責任」が免責となる特約が入る場合もあり、売主にとって安心です。
不動産の売却で「買取」を選択するべきケースついては、別記事にて詳しく説明しています。
まとめ
住宅に雨漏り被害があるには、2つのリスクが考えられます。
- カビが発生し健康被害のリスクがある
- 構造体に腐食やシロアリ被害が発生するリスクがある
そして雨漏り被害がある住宅の売却には、4つのリスクが考えられます。
- 売買代金が安くなる
- 購入を断られる
- 成約までに数ヶ月以上の時間がかかる
- 売却後も契約不適合責任を負う
また、雨漏り被害のある家を売却する方法は4つ考えられます。
- 雨漏りを防止して売却する → 補修や塗装工事を実施する場合、費用が発生します。
- 主要構造部を補修して売却する → 補修工事の費用が必要となります。
- 解体して更地で販売する → 建物解体工事費用が必要となります。
- 不動産買取専門業者に売却する
最後に、不動産買取専門業者に直接売却する場合のメリットは4つあります。
- 被害個所の補修が不要
- 仲介手数料が不要
- 売却までの期間が短い
- 契約不適合責任が免責となる場合がある
雨漏り被害がある物件は仮に売却することができたとしても、相場より安い価格でしか売却できない可能性がありますが、売却する際の様々な手間や負担、リスクを考えたときに、不動産買取専門業者に売却をすることが最も良い結果につながる可能性があります。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
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