親が亡くなり実家を相続したけど、住まないので売却したい。そう思いたって不動産屋さんに家の売却を依頼したけど、なかなか売れない!
そんなお悩みを持つ方へ・・・その家の周辺に何か問題はありませんか?
一般的に、「環境的瑕疵」がある物件を売却することは場合によって難しい可能性もありますので、「不動産買取再販専門会社」で約19年働いた「不動産の買取と販売」のプロである僕が、
- 環境的瑕疵とは何か
- 環境的瑕疵あり物件のデメリット
- 契約不適合責任のリスク
- 環境的瑕疵あり物件を売却する方法2選
を、不動産買取専門業者目線で解説します!
これを読めば、なかなか売れない再建築不可物件でも、売却する出口が見つかります。
環境的瑕疵とは何か
「環境的瑕疵」とは、土地や建物など物件そのものには問題がないものの、物件周辺の環境が嫌悪感を感じる要因となり、生活に支障をきたすような場合をいいます。
しかし、嫌悪感を感じ生活に支障をきたす程度は人によって許容範囲が異なるため、どこまでが環境的瑕疵になるかを明確に判断することは難しいです。
「環境的瑕疵になる可能性があるもの」を具体的にあげてみます。
騒音・振動・臭いなどが発生する施設が隣接している、または近くにある
- 高速道路や幹線道路、線路や踏切、空港、基地
- 幼稚園、保育園、学校
- 病院、消防署、火葬場
- 工場、ガソリンスタンド、ごみ処理場、ごみ置き場
- 飲食店、アミューズメント施設、結婚式場
- 動物園、養鶏場、養豚場、養牛場 など
心理的な不安を与える施設が隣接している、または近くにある
- 刑務所、少年院
- 宗教施設、暴力団事務所
- 精神科病院
- 葬儀場、墓地、火葬場
- 発電所、変電所、高圧線鉄塔
- 風俗店、ラブホテル、ギャンブル施設 など
将来的に日照や眺望を阻害する可能性がある施設
- 高層マンション建築予定地 など
嫌悪感を与える民間の住宅が隣接している、または近くにある
- ごみ屋敷
- 騒音を出す住人がいる家
- 動物の多頭飼いをしている家
- クレーマー的住人がいる家 など
環境的瑕疵あり物件のデメリット
環境的瑕疵がある物件のデメリットは、土地や建物など物件そのものには問題がないにもかかわらず、物件の売却価格が安くなってしまう可能性があることです。
しかも、ある人にとっては不快に感じる環境であっても、別の人からすれば特に気にしない環境という場合もあるため、誰の目から見ても同じ結果になると言えず、判断基準が個人の感覚次第で曖昧です。
また、環境的瑕疵は工事や清掃で改善できるものではなく、売主本人では根本的に解決できません。
契約不適合責任のリスク
一般の方が買い手の場合、特約がない限り売主は「契約不適合責任」を負うというリスクもあります。
「契約不適合責任」とは、売買の目的物に「契約内容に適合していない部分」がある場合に、売主に課される法的責任のことです。
環境的瑕疵がある物件は、もともとそこに住んでいた人や近隣の型しか知り得ないことが多く、プロがしっかり調査しないと買主には分からない可能性があり、買主がまったく保護されないようではリスクが高く、安心して売買ができません。
さらに中古戸建の場合、築年数が古くなるほど雨漏りやシロアリの被害などの「物理的瑕疵」がある可能性も高くなります。
そこで買主を保護するために、「契約不適合責任」が民法に定められており、瑕疵がある物件であることを売主が買主へ説明せず売却した場合は、「契約不適合責任」を問われ、契約の解除や追完請求、代金減額請求などを受けることになります。
環境的瑕疵がある物件を売却する方法2選
環境的瑕疵を気にしない人に売却する
大前提として、知りうる環境的瑕疵の内容は、売却前にすべて告知書などに記載し、買主にしっかり説明をしておくことです。
そのうえで、それらの環境的瑕疵を気にしない買い手が見つかるまで待つことができれば、売却できるかもしれません。
不動産買取専門業者に売却する
一般のお客様の中から買い手を探すとなると、長期間に渡り買い手が見つからないことも珍しくありません。
運よく環境的瑕疵を気にしない購入客に売却できた場合でも、不動産仲介業者へ売却を依頼した場合には、成約時に仲介手数料が発生します。
仲介手数料は法律により計算式が決まっており、物件の売買価格によって変動しますが、数十万円~数百万円と高額になります。
売主にとって「売却に時間がかかり、成約時に仲介手数料がかかり、売却後も契約不適合責任を負う」というリスクも、不動産買取専門業者に家を直接買い取ってもらえば排除できます。
しかも短期間で売却できるうえに仲介手数料もかからず、また、不動産のプロが直接買取をするため、売買契約に前述した売主の「契約不適合責任」が免責となる特約が入る場合もあり、売主にとって安心です。
不動産の売却で「買取」を選択するべきケースついては、別記事にて詳しく説明しています。
まとめ
「環境的瑕疵」とは、土地や建物など物件そのものには問題がないものの、物件周辺の環境が嫌悪感を感じる要因となり、生活に支障をきたすような場合をいいます。
- 騒音・振動・臭いなどが発生する施設
- 心理的な不安を与える施設
- 将来的に日照や眺望を阻害する可能性がある施設
- 嫌悪感を与える民間の住宅
上記のような施設が近くにある場合、環境的瑕疵に該当する可能性がありますが、人によって許容範囲が異なるため、どこまでが環境的瑕疵になるかを明確に判断することは難しいです。
そして、環境的瑕疵がある物件のデメリットは
- 売買代金が安くなる
- 購入を断られる
- 成約までに数ヶ月以上の時間がかかる
- 売却後も契約不適合責任を負う
また、環境的瑕疵のある家を売却する方法は2つ考えられます。
- 環境的瑕疵を気にしない人に売却する
- 不動産買取専門業者に売却する
最後に、不動産買取専門業者に直接売却する場合のメリットは4つあります。
- 仲介手数料が不要
- 売却までの期間が短い
- 契約不適合責任が免責となる場合がある
- 高価で売却できる場合がある
「環境的瑕疵あり物件」は仮に売却することができたとしても、相場より安い価格でしか売却できない可能性がありますが、売却する際の様々な手間や負担、リスクを考えたときに、不動産買取専門業者に売却をすることが最も良い結果につながる可能性があります。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
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