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「浸水想定区域内」にある物件を売却する方法3選

不動産売却
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親が亡くなり実家を相続したけど、住まないので売却したい。そう思いたって不動産屋さんに家の売却を依頼したけど、なかなか売れない!

そんなお悩みを持つ方へ・・・その家は河川や海の近くにありませんか?

河川や海に近い地域は「浸水想定区域内」指定されている場合があります。

「浸水想定区域内」にある物件を売却することは条件によって難しい可能性もありますので、「不動産買取再販専門会社」で働いていた「不動産の買取と販売」のプロである僕が600件以上の売買経験をもとに、

  • 浸水想定区域とは
  • 浸水想定区域の調べ方
  • 浸水想定区域内にある物件が売りづらいケース
  • 契約不適合責任のリスク
  • 浸水想定区域内にある物件を売却する方法3選

を、不動産買取専門業者目線で解説します!

この記事を読めば、なかなか売れない浸水想定区域内の物件でも、売却する方法が見つかります。

浸水想定区域とは

「浸水想定区域」とは、大雨や台風、ゲリラ豪雨などにより水害が発生した際に建物や土地へ浸水すると考えられる区域のことです。

ここ数年の間に集中豪雨による水害が多発したことを受け、2020年に宅地建物取引業法施行規則の一部が改正され、物件が浸水想定区域内にある場合には、重要事項説明において買主への告知が義務付けられました。

浸水想定区域の種類は以下の3つに分けられます。

洪水浸水想定区域

「洪水浸水想定区域」とは、「1000年に1度」と想定する大雨や豪雨などが発生した場合に、河川が氾濫して浸水する恐れがある区域です。一般的に浸水想定区域洪水浸水想定区域を指します。

想定できる最大の降雨量と河川の整備状況によって浸水エリアが指定されており、近くに川が流れている地域は洪水浸水想定区域に指定されていることが多いです。

物件が洪水浸水想定区域にあるかどうかは、自治体が作成している「洪水ハザードマップ」で確認することができます。

例:福岡市の洪水ハザードマップ

内水浸水想定区域

「内水浸水想定区域」とは、大雨やゲリラ豪雨などで下水道排水施設の処理能力を超えて「内水」が発生した場合に、浸水する恐れがある区域です。

この浸水は河川が氾濫していなくても起こり、洪水よりも浸水の深さは浅い代わりに発生頻度は高いとされており、都心部に多い傾向があります。

物件が内水浸水想定区域にあるかどうかは、自治体が作成している「内水ハザードマップ」で確認することができますが、自治体によっては「内水ハザードマップ」を作成していない場合もあります。

例:福岡市の内水ハザードマップ

高潮浸水想定区域

高潮とは、台風などによる強風や気圧の低下などで海水面が上昇し、大きな波をともなって海水が陸地へ侵入する現象のことです。

「高潮浸水想定区域」とは、想定される最大規模の高潮が発生して海岸や河川から氾濫が発生した場合に浸水が想定される区域のことで、主に沿岸部が指定されます。

物件が高潮浸水想定区域にあるかどうかは、自治体が作成している「高潮ハザードマップ」で確認することができますが、当然ながら沿岸部のない自治体については「高潮ハザードマップ」を作成していない場合もあります。

例:福岡市の高潮ハザードマップ

津波浸水想定区域

「津波浸水想定区域」とは、大規模な地震の影響で最大クラスの津波が発生した場合に、津波による浸水が想定される区域のことで、主に沿岸部が指定されます。

物件が津波浸水想定区域にあるかどうかは、自治体が作成している「津波ハザードマップ」で確認することができますが、当然ながら沿岸部のない自治体については「津波ハザードマップ」を作成していない場合もあります。

例:福岡市の津波ハザードマップ

なお、同じ津波に関して「津波災害警戒区域」という区域がありますが、津波浸水想定区域は津波の浸水想定エリアと浸水深を示すものであることに対し、津波災害警戒区域は津波から逃げることができるように警戒避難体制を特に整備すべき区域を示しています。

「津波災害警戒区域」については、別記事にて詳しく説明しています。

→「津波災害警戒区域内」にある物件を売却する方法3選

浸水想定区域の調べ方

浸水想定戒区域を調べるには、物件が存する地域の市役所など自治体の危機管理防災課(行政により名称は異なります)の窓口にて照会するのが最も確実な方法です。

窓口で「ハザードマップ」を確認し、物件が浸水想定区域内に位置しているかどうか確認することができます。

それ以外にも、自治体が浸水想定区域の位置をホームページで公開している場合もあります。

福岡市のHPより

浸水想定区域内にある物件が売りづらいケース

「物件が浸水想定区域内にある」というだけでは、必ずしも物件が売りづらくなるわけではありません。しかし、次のようなケースでは注意が必要です。

実際に浸水被害にあっている

物件が実際に浸水被害にあっている場合は、建物の損害や浸水の再発リスクが考慮されるため、売却価格は大きく下がる可能性が高くなります。

特に、浸水被害で建物が損傷した場合や 、土台・柱といった躯体部分の木材が腐食した場合、物件の売却価格はさらに下がってしまうでしょう。

「物件の損傷が激しい」「将来的な水害の再発が心配」などの理由で買主が購入をためらい、売却までに時間を要する可能性もあります。

物件の周辺地域が浸水被害にあっている

物件自体に浸水被害はない場合でも、物件の周辺地域が浸水被害にあっている場合は、浸水の再発リスクが懸念されるため、売却までに時間を要する可能性があります。

物件が存する地域の自治体が作成する「浸水実績図」で、物件周辺の過去の浸水実績を確認することができます。

「浸水実績図」は自治体の役所窓口またはホームページで公開してます。

例:熊本市の浸水実績図

想定される浸水被害の規模が大きい

物件や物件周辺で過去に浸水被害はない場合でも、他の浸水想定区域と比較して想定される浸水被害が大規模な場合、将来的な浸水被害を心配して買主が購入をためらい、売却までに時間を要する可能性があります。

また、浸水想定区域の更新によって近年新たに浸水想定区域に含まれたエリアも同様に、売りづらくなる可能性があります。

契約不適合責任のリスク

一般の方が買い手の場合、特約がない限り売主は「契約不適合責任」を負うというリスクもあります。

契約不適合責任とは、売買の目的物に「契約内容に適合していない部分」がある場合に、売主に課される法的責任のことです。

過去に浸水被害にあっている場合は「物理的瑕疵」に該当し、さらに中古戸建の場合は、建物の築年数が古くなるほど雨漏りやシロアリの被害などの「物理的瑕疵」もある可能性も高くなります。

これらの瑕疵は売主またはプロがしっかり調査・説明しないと買主には分からない可能性があるため、売主から買主に対して「告知義務」があります。

当然ながら、売買契約前に買主がそれらの瑕疵を自力で発見することは難しいため、買主が保護されないようではリスクが高く、安心して売買ができません。

そこで買主を保護するために、契約不適合責任が民法に定められており、瑕疵に該当する部分について売主が買主に告知せずに売却した場合、契約不適合責任を問われ、契約の解除や損害賠償請求、代金減額請求などを受けることになります。

浸水想定区域内にある物件を売却する方法3選

浸水被害にあう前に売却する

物件が浸水想定区域内にあったとしても、実際には浸水被害にあっていないエリアの物件であれば、比較的スムーズに売却できる可能性があります。

ハザードマップを買主に見せて「具体的にどの程度浸水リスクがあるのか」「浸水被害が生じた時はどこへ避難すればいいのか」をしっかり説明することで、かえって安心して購入してもらえる場合もあります。

近年ではゲリラ豪雨や台風などによる水害は各地で頻発していますが、一度でも浸水被害にあってしまった物件は価格も下がり売却も難しくなります。

浸水被害にあう前に早めに売却活動を始めることをオススメします。

ホームインスペクションをしてから売却する

「ホームインスペクション」とは、建築士やホームインスペクター(住宅診断士)など専門の知識を有するプロが建物の劣化状況や欠陥を調査し、今後のメンテナンスやリフォームの必要性・時期などを診断するサービスで、「住宅診断」とも呼ばれます。

ホームインスペクションは一般的に5〜10万円程度の費用がかかりますが、ホームインスペクションによって物件に浸水被害などの形跡がないこと、または実際に過去に浸水被害にあった物件でも建物に損傷がないことが証明されていれば、購入を検討している買主も安心できるでしょう。

不動産買取専門業者に売却する

浸水想定区域内の物件が前述のような売りづらいケースに該当し、いわゆる「訳あり物件」とみなされた場合、敬遠され長期間に渡り買い手が見つからないことも珍しくありません。

運よく、そのリスクを納得した買主に売却できた場合でも、不動産仲介業者へ売却を依頼した場合には、成約時に仲介手数料が発生します。

仲介手数料は法律により計算式が決まっており、物件の売買価格によって変動しますが、数十万円~数百万円と高額になります。

売主にとって「売却に時間がかかり、成約時に仲介手数料がかかり、売却後も契約不適合責任を負う」というリスクも、不動産買取専門業者に家を直接買い取ってもらえば排除できます。

しかも短期間で売却できるうえに仲介手数料もかからず、不動産のプロが直接買取をするため、売買契約に前述した売主の契約不適合責任が免責となる特約が入る場合もあり、売主にとって安心です。

不動産の売却で「買取」を選択するべきケースついては、別記事にて詳しく説明しています。

→不動産の売却で「買取」をオススメするケース4選

まとめ

「浸水想定区域」とは、大雨や台風、ゲリラ豪雨などにより水害が発生した際に建物や土地へ浸水すると考えられる区域のことで、以下の3つの種類に分けられます。

  • 「洪水浸水想定区域」…「1000年に1度」と想定する大雨や豪雨などが発生した場合に、河川が氾濫して浸水する恐れがある区域
  • 「内水浸水想定区域」…大雨やゲリラ豪雨などで下水道排水施設の処理能力を超えて「内水」が発生した場合に、浸水する恐れがある区域
  • 「高潮浸水想定区域」…想定される最大規模の高潮が発生して海岸や河川から氾濫が発生した場合に浸水が想定される区域

「物件が浸水想定区域内にある」というだけでは、必ずしも物件が売りづらくなるわけではありませんが、次のようなケースでは注意が必要です。

  • 実際に浸水被害にあっている
  • 物件の周辺地域が浸水被害にあっている
  • 想定される浸水被害の規模が大きい

そんな浸水想定区域内にある物件を売却する方法は3つ考えられます。

  • 浸水被害にあう前に売却する
  • ホームインスペクションをしてから売却する
  • 不動産買取専門業者に売却する

最後に、不動産買取専門業者に直接売却する場合のメリットは4つあります。

  • 浸水被害があっても検討可能
  • 仲介手数料が不要
  • 売却までの期間が短い
  • 契約不適合責任が免責となる場合がある

浸水想定区域内にある物件は条件によって相場より安い価格でしか売却できない場合がありますが、売却する際の様々な手間や負担、リスクを考えたときに、不動産買取専門業者に売却をすることが最も良い結果につながる可能性があります。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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